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社会保険労務士 吉元よしもと 康裕やすひろ
YUTOLI社会保険労務士・FP事務所
📍 東京都江戸川区

📝 解説記事|退職金制度をつくりたい

企業型DCを「福利厚生と「老後資産形成」の両面から考える

公開日: 2026年10月2日 更新日: 2026年10月10日

こんにちは。
YUTOLI社会保険労務士・FP事務所の吉元です。

今回は、中小企業における企業型DC(企業型確定拠出年金)について、経営者・経営幹部・人事総務担当者の皆さまに向けてお話しします。

企業型DCというと、「大企業が導入する退職金制度」というイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし現在では、中小企業においても、従業員の老後資産形成を支援する福利厚生制度、そして採用・定着につながる人事制度の一つとして検討されるようになっています。

まずは、企業型DCのイメージを短時間で確認できる動画をご覧ください。

▶︎ 企業型DCショート動画①「福利厚生としてのDC」
https://www.tokyo-cci.or.jp/shachonet/profile/2140.html

▶︎ 企業型DCショート動画②「社長自身の退職金どうしますか?」
https://youtube.com/shorts/IsZ22mqFhu4

■企業型DCは「老後資産形成」の一つの選択肢

老後資産形成を考えるとき、まず基本になるのは公的年金です。

公的年金は、生涯にわたって受給できる社会保障制度であり、老後生活を支える重要な基礎部分です。

そのうえで、老後の生活をより安定させるためには、企業年金や個人による資産形成など、複数の手段を組み合わせて考えることが重要になります。

企業型DCは、その「上乗せ部分」の選択肢の一つです。

企業が従業員のために掛金を拠出し、加入者自身が運用商品を選択して将来の資産を形成していく仕組みです。

中退共、確定給付企業年金(DB)、小規模企業共済など、退職金・老後資産形成にはさまざまな制度があります。

その中で企業型DCは、会社が制度を用意しながら、加入者自身が長期的な資産形成を行うという特徴があります。

■企業型DCは「福利厚生」として考えることもできる

企業型DCを検討する際、「退職金制度をどうするか」という視点だけで考える必要はありません。

経営者の立場から見ると、

・採用時にアピールできる福利厚生
・従業員の定着を支える制度
・従業員自身の老後資産形成を支援する制度
・経営者自身の退職後の資産形成

といった複数の側面があります。

特に人材採用が重要になっている中小企業では、給与だけではなく、「将来まで考えてくれる会社かどうか」という視点も、従業員にとって会社を選ぶ際の一つの判断材料になります。

「キャリアパスがある」

「賃金制度が整っている」

「福利厚生が充実している」

こうした制度を個別に考えるのではなく、会社の人事制度全体として考えていくことが大切です。

■経営者自身の老後資産形成という視点

企業型DCを検討する際に、経営者の方からよく出てくるのが、

「従業員のための制度ですよね?」

という疑問です。

実は、企業型DCは制度設計によっては、経営者自身の老後資産形成について考えるきっかけにもなります。

中退共など、経営者が加入できない制度もあります。

一方、企業型DCは、一定の要件のもとで経営者も加入することができます。

「会社の福利厚生」と「経営者自身の将来」を別々に考えるのではなく、会社全体の福利厚生・人事制度として設計することが、企業型DCを検討する一つのポイントになります。

■企業型DCを「導入すること」だけを目的にしない

ここが、企業型DCを検討するうえで非常に重要なところです。

企業型DCは、導入すれば自動的に採用力が上がったり、従業員が定着したりする制度ではありません。

大切なのは、

「自社の人材課題は何なのか?」

というところから考えることです。

例えば、

「若い人材を採用したい」

「従業員の定着率を高めたい」

「退職金制度を整備したい」

「従業員の老後資産形成を支援したい」

「経営者自身の退職後の資産形成も考えたい」

など、会社によって課題は異なります。

企業型DCは、こうした課題に対して検討できる制度の一つです。

したがって、最初から「企業型DCを導入しましょう」と考えるのではなく、自社の人材・賃金・福利厚生・退職金制度を整理したうえで、その選択肢として企業型DCを検討することが重要です。

■運送会社の人事制度にも企業型DCという選択肢

私は運送業を専門とする社会保険労務士として、これまで運送会社の賃金制度、労働時間制度、就業規則、賃金規程などの整備に携わってきました。

運送業では、ドライバー不足への対応、若手人材の採用、従業員の定着など、人材に関する課題が経営上の重要なテーマになっています。

だからこそ、

賃金制度だけを見るのではなく、キャリアパス、評価制度、福利厚生、退職金・老後資産形成まで含めて、人事制度全体を考える。

こうした視点が、これからの中小企業にはますます重要になると考えています。

企業型DCも、その中の一つの選択肢です。

自社にとって本当に必要な制度なのか。

どのような設計が自社に合うのか。

従業員にどのように説明するのか。

経営者自身にとってどのようなメリット・留意点があるのか。

こうした点を一つずつ整理して検討することが大切です。

■企業型DCについて、まずは「知る」ことから

企業型DCは、税制や社会保険、運用、退職金制度など、複数の分野にまたがる制度です。

そのため、「名前は聞いたことがあるけれど、仕組みがよく分からない」という経営者の方も少なくありません。

まずは制度の基本を知り、そのうえで、

「自社の人材課題に企業型DCが合うのか?」

を考えてみてはいかがでしょうか。

企業型DCは、単なる「退職金制度」ではなく、従業員の老後資産形成を支援しながら、会社の福利厚生や人事戦略にもつなげることができる制度です。

中小企業の福利厚生、採用・定着、退職金制度、経営者自身の老後資産形成を考える際の選択肢として、企業型DCを知っておくことは、これからますます重要になっていくでしょう。

企業型DCについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

▶︎ 「老後資産形成の新しいスタンダード。企業型DCが中小企業で注目される理由。」
https://note.com/yutoli_sr/n/n61816b4d82b3

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