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社会保険労務士 吉元よしもと 康裕やすひろ
YUTOLI社会保険労務士・FP事務所
📍 東京都江戸川区

📝 解説記事|従業員ともめている(会社側)

労使トラブルは、会社側の説明だけでは終わらないー事例から考える初期対応と解決への向き合い方

公開日: 2026年10月9日 更新日: 2026年10月10日

こんにちは。
YUTOLI社会保険労務士・FP事務所の吉元です。

労使トラブルが起きたとき、会社はどのように対応すればよいのでしょうか。

「こちらにも言い分がある」「そんなつもりで言ったわけではない」。会社側にも事情や言い分はあります。しかし、会社の認識と従業員の受け止め方が食い違うことは珍しくありません。

今回は、労使トラブルの事例を通じて、会社がトラブルに向き合う際のポイントを考えます。

1.上司の指導が、従業員とのトラブルに発展した事例

ある会社で、上司と先輩社員から厳しい言葉を受けた従業員が、体調を崩して医療機関を受診し、休業することになりました。

従業員側は、上司らの言動をパワーハラスメントと捉え、経済的・精神的な損害に対する補償として150万円を請求しました。医師の診断書なども提出されています。

一方、会社側の説明は異なります。

会社側は、別室で話をしたのは状況を説明するためであり、複数人で圧力をかける意図はなかったと主張しました。また、話し合いの時間や発言の内容についても、従業員側の認識とは異なる説明をしています。

会社側は、厳しい口調になった可能性は認めつつも、その言動と従業員の体調不良との因果関係については疑問を示しました。

この事例から分かるのは、同じ出来事でも、会社側と従業員側では受け止め方や説明が異なる場合があるということです。

会社に悪意がなかったとしても、それだけで問題が解決するわけではありません。双方の主張を整理し、何が起きたのかを確認する必要があります。

2.トラブルが起きたとき、会社が確認したいこと

労使トラブルへの対応では、感情的に反論する前に、事実関係を整理することが重要です。

例えば、次のような点を確認します。

- いつ、どこで、誰が、どのような発言や行動をしたのか
- その場にいた人は誰か
- 会社側と従業員側の説明に、どのような違いがあるのか
- 面談記録、業務上の記録、メールなど、事実確認に役立つ資料が残っているか
- 会社として、これまでどのような対応をしてきたのか

特に注意したいのは、トラブルが起きてから記憶を頼りに事実を整理しようとしても、正確な確認が難しくなることです。

日頃から面談や指導の内容を適切に記録し、問題が生じたときに経緯を確認できるようにしておくことが、会社を守るうえでも大切です。

3.会社の主張を伝えるだけで、解決に近づくとは限らない

会社には会社の事情があります。指導の必要性があった、業務上のミスを説明するためだった、威圧する意図はなかった――こうした説明が必要な場面もあるでしょう。

しかし、会社側の説明を伝えることと、相手が納得できる解決を目指すことは、同じではありません。

労使トラブルでは、発生した出来事への評価だけでなく、退職の条件や離職理由、金銭面の取り扱いなどが、解決に向けた論点になる場合があります。

ここで大切なのは、相手の要求をすべて受け入れることではありません。

会社側の認識と従業員側の主張を整理したうえで、何が争点なのか、どのような解決の可能性があるのかを冷静に検討することです。

また、問題が深刻化している場合には、会社だけで判断せず、社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談することも選択肢になります。

4.労使トラブルは、日頃の労務管理から考える

労使トラブルが発生すると、会社は目の前の問題への対応に追われます。しかし、トラブルへの備えは、問題が起きてから始めるものではありません。

例えば、次のような取り組みが考えられます。

- 管理職に対し、適切な指導と不適切な言動の違いを理解してもらう
- 従業員から相談があったときの社内対応ルールを整備する
- 面談や指導の記録を適切に残す
- 就業規則や社内規程を整備し、会社の対応方針を明確にする
- 問題が大きくなる前に、専門家へ相談できる体制をつくる

労使トラブルは、会社と従業員の双方に大きな負担をもたらします。だからこそ、問題が起きたときの対応力だけでなく、問題を深刻化させないための仕組みづくりも重要です。

まとめ

労使トラブルでは、会社側にも従業員側にも、それぞれの認識や言い分があります。

会社側の意図だけで問題を判断せず、事実関係を確認し、双方の主張の違いを整理する。そのうえで、必要に応じて専門家の助言を得ながら、解決に向けた対応を検討することが大切です。

日頃の労務管理を見直すことが、会社と従業員の双方にとって、よりよい職場環境につながります。

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運送業専門社労士の吉元です。

運送業を中心に、賃金制度・労働時間制度の整備、就業規則・賃金規程の作成など、企業の労務管理を支援しています。

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