📝 解説記事|家族が亡くなった・遺族年金をもらえるか知りたい
遺族年金は「子どもがいるか」で何が変わる?遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い
公開日: 2026年10月7日 更新日: 2026年10月10日
こんにちは。
YUTOLI社会保険労務士・FP事務所の吉元です。
「もし、一家の働き手が亡くなったら、残された家族の生活はどうなるのか?」
公的年金というと、65歳から受け取る「老齢年金」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、公的年金には、老後の生活を支える老齢年金だけでなく、病気やけがなどで働けなくなったときの「障害年金」、そして働き手が亡くなったときに残された家族の生活を支える「遺族年金」があります。
つまり、遺族年金は高齢者だけの制度ではありません。
現役世代にとっても、万一のときの生活保障として重要な制度です。
遺族年金には2種類ある
遺族年金には、大きく分けて、
* 遺族基礎年金
* 遺族厚生年金
の2種類があります。
自営業者など国民年金を中心に加入している人の場合は、遺族基礎年金が基本になります。
会社員や公務員など厚生年金に加入している人の場合は、要件を満たせば遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金を受け取れる場合があります。
ここで重要なのが、遺族基礎年金と遺族厚生年金では、受け取れる遺族の範囲が違うということです。
遺族基礎年金は「子」がポイント
遺族基礎年金を受け取れるのは、原則として、
「子のある配偶者」または「子」
です。
つまり、配偶者に子がいない場合、遺族基礎年金は受け取れません。
ここでいう「子」は、原則として18歳になった年度の3月31日までにある未婚の子です。
また、一定の障害状態にある場合は20歳未満の子も対象になります。
例えば、夫が亡くなったとします。
妻に18歳年度末までの子がいれば、一定の要件を満たすことで遺族基礎年金の対象になります。
一方、子どもがいない夫婦の場合、妻は遺族基礎年金を受け取ることができません。
ここが遺族基礎年金を理解するうえで大きなポイントです。
遺族厚生年金は「子どもがいなくても」対象になる
一方、亡くなった方が厚生年金に加入していた場合には、遺族厚生年金の対象になる可能性があります。
遺族厚生年金は、配偶者だけでなく、一定の条件を満たす子、父母、孫、祖父母も遺族の範囲に含まれます。
そのため、配偶者の立場から見ると、
遺族基礎年金=子がいることが大きなポイント
遺族厚生年金=子がいなくても対象になる場合がある
という違いがあります。
この違いを知らないと、
「夫が亡くなったら妻には遺族年金が出る」
「子どもがいなければ遺族年金は何もない」
といった、どちらも正確ではない理解になってしまいます。
実際には、亡くなった方の年金加入状況、残された家族の続柄、子どもの年齢、年齢や生計維持関係などによって、受け取れる年金が変わります。
遺族年金は「万一のときの生活保障」
遺族年金を考えるときに大切なのは、「自分が払った保険料が戻ってくる」という発想だけではありません。
公的年金は「保険」の仕組みでもあります。
老齢年金は老後の生活保障。
障害年金は、病気やけがなどによって生活や仕事に制限が生じた場合の生活保障。
そして遺族年金は、働き手などが亡くなった場合の生活保障です。
つまり、公的年金は「長生きしたときだけのためのお金」ではありません。
現役世代であっても、万一の事態に備える社会保険として機能しています。
だからこそ、自分や配偶者がどのような公的年金に加入しているのか、そして万一の場合に家族がどのような遺族年金の対象になるのかを知っておくことには意味があります。
「遺族年金があるから安心」でも「何ももらえない」でもない
遺族年金は、家族の生活を支える重要な制度です。
しかし、遺族年金だけで、その後の生活費、住居費、教育費などすべてをまかなえるとは限りません。
だからこそ、
「遺族年金はいくら受け取れるのか」
だけではなく、
「残された家族には、どのような収入と支出があるのか」
まで考える必要があります。
そのうえで、不足する部分があれば、預貯金や民間の生命保険などで補うことになります。
遺族年金を知ることは、単に年金制度を知ることではありません。
家族の生活保障をどう考えるのか。
その出発点でもあるのです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
年金について、制度の仕組みから分かりやすくお伝えしています。
